〝ブルーピリオド〟がアニメ化決定しました!!見る前におさらいをしましょう!!

◎ ブルーピリオドをご紹介します。

2020年数々の漫画賞を受賞し、2021年TVアニメ化が決定した超話題作のスポ根美術漫画最新刊登場!!

連載誌/レーベル
アフタヌーン

出版社
講談社

ジャンル
青年マンガ

あらすじ。

高2で絵を描くことの楽しさに目覚めた矢口八虎の新しい生活が始まった。新しい仲間たちと受ける講義、課題、講評は厳しく…。凹んでモチベーションすら無くす日々は 八虎を成長させるのか、それとも…。そしてそれは八虎のライバルの世田介にも訪れる。猫屋敷教授から厳しい指摘を受けた世田介。自信をなくしてほしくない八虎は 世田介くんには才能があるから…と励ますが「才能」と「努力」の考え方の違いでさらに険悪な空気に。2人の会話を聞いていた鉢呂から客観的な意見を聞いた八虎は自分の視野の狭さを痛感する。そこで改めて世田介と向き合うため「絵は好きか」と問うが……。

登場人物。

〇矢口八虎
Yatora Yaguchi
cv
峯田 大夢

高校2年生。悪友と遊びつつも優秀な成績をキープするほど要領が良い。スクールカースト上位のリア充だが、虚しさを感じている。いくつものきっかけから「美術」に魅せられ、進路に日本最難関の東京藝術大学の油画専攻を志す。

〇鮎川龍二
Ryuji Ayukawa
cv
花守 ゆみり

八虎と仲の良い、同級生の美術部員。個性的な服装を着こなすクラスの人気者。周囲には名字の一部を取って「ユカちゃん」と呼ばれている。進路には東京藝術大学の日本画専攻を志望。八虎を美術部に招き入れる。

〇高橋世田介
Yotasuke Takahashi
cv
山下 大輝

八虎が美術予備校で知り合った天才少年。同い年ながら頭抜けた美術の才能と技術を持つが、コミュニケーションは得意ではなく、口数も少ない。進路は八虎と同じく、東京藝術大学の油画専攻。似たシャツをたくさん持っている。

SNSの声。

面白かった。今まで芸術とは無縁の世界で生きてきたため美術部に入部する前の八虎のように芸術に対する偏見があった。天性の才能をもった人、他の人とは全く違う価値観を持つ異端児、藝大一家のサラブレッド…そんな一握りの人しか生き抜けない世界だと。凡人が努力したところで一生手の届かない場所であると。
でもこれはきっと半分正解で半分間違いだ。事実そういった特異な人は一定数いるだろう。ただ勘違いしてはいけないのは、凡人でも努力次第では天才の領域にも近づけることだ。そしてその時雲の上の存在だった天才たちも、あらゆる技法、工夫を凝らして作品を創っていたことに気づく。数学で多くの公式を知っていればそれだけ様々な問題を解けるように、芸術においても表現するための手段が多いほど他人の作品が理解できるようになるし、自身の作品の幅や深みも増していく。
でも、ここからなんだなあと思った。当たり前だけど学問と芸術の大きな違いの一つは一般的な正解の有無だ。どれだけ努力してあらゆる技術を手に入れたとしても、最終的な作品に正解はない。これは本気であればある程きっとすごく辛いことだ。でもきっと同時に、芸術が終わりのない学問である所以だ。雪一つにしても、北国の人が見れば故郷を思い出したり、子供の頃よく遊んだ雪合戦の思い出が蘇ったり、南国の人なら珍しく思ったり、触ってみたいと思ったり、白くて綺麗だなと思ったり…きっと凡人を10人集めたとしても、全く同じ感想を持つ人はいないと思う。つまり、実は凡人でも芸術においては唯一無二になり得る。そんな可能性を秘めているのも芸術だ。
6巻まで一気読みして熱っぽいので意味がわからないことを書いてしまいましたが、とにかく色んなことを考えさせられました。八虎は圧倒的な努力の天才だけど、彼の悩みや葛藤は共感できるものがすごく多くて驚きました。そして彼の姿に元気づけられました。
要は何が言いたいのかと言うと、芸術ってめちゃくちゃかっこいいと思ったってことです。本気でやるってめちゃくちゃかっこいいと思ったってことです。もう語彙力の限界なのでここまでですが僕はすごくこの漫画好きです。

1〜4巻をまとめての感想。
ここ最近見た漫画の中で飛び抜けて面白かった。
ポイントとしては2つ。
①主人公の巧みな心理描写
②(自分にとっては程遠い)美術の世界への入口

主人公の巧みな心理描写
様々な登場人物の視点に移り変わる他の作品と比較すると、主人公から見た世界描写の場面が多い。
元々程よくDQNながら勤勉で誰とでも仲良くできる八方美人で””マジメ””な主人公。そんな彼が美術の世界に触れ、今までの自分を見つめ直す過程が巧みに描かれている。
作中の表現を抜粋すると、””マジメ””に生きることで評価されるのは義務教育まで、美術は自分の見える世界を表現する””自由””な場所である。
“”マジメ””と対極にあるものが””自由””なのかと問われれば必ずしもそうではない。が少なくとも””マジメ””な人間はどこかしら空気を読むのが上手で、気づかぬうちに規定のルールに従って生きている。
だが美術、ひいては芸術の世界は””自分の価値観””を曝け出し、その人にしか見えないものを表現する。
それは””マジメ””な人間にはとても恥ずかしく、勇気のいる一歩。主人公は高校生という多感な時期に、辛く苦しくも新たな世界へと足を踏み出す。

きっとこの漫画は社会人により響く作品なのかもしれない。退屈な日常に落胆しながらも、社会の歯車として動き続ける。そこに何か違和感を感じたとき、この作品が心に響くものになるのかもしれない。

②美術の世界への入口
多くの人にとって義務教育でその学習を止めている美術の世界。
この漫画は素人が藝大を目指すというストーリーに沿って、絵の構図や画材の種類など、分かりやすい解説を加えている。
少なくとも私は絵を描くということがここまで緻密に計算されているものだと思わなかった。美術はセンスが全て、恥ずかしくもそう考えていた自分にとっては衝撃を受ける内容であった。
美術の裏側にある技巧や作法に触れることで、間接的に自分が歩むことのなかった別の生き方を垣間見れるような読感がある。

是非多くの人に手にとって欲しい作品。



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